『エッジウェア卿の死』は、アガサ・クリスティーのポアロ長編7作目。
うーん。途中まで面白かったです。(なんか最近、この言い方が多いような・・・)
犯人がわかったときに「え、この人なの!?」っていう意外さが私は好きなのだけど、あんまりそれがなかったんです。タネ明かされると、そういう話か、と思うしかないですよね…。
『エッジウェア卿の死』あらすじ
ボアロは女優・ジェーンから夫・エッジウェア卿を離婚のために説得してほしい、と依頼される。前々からジェーンには、夫の死を願うような言動まであった。
ある日、エッジウェア卿は自宅で殺害されるが、容疑者となったジェーンには、晩餐会に出席していたというアリバイがあった。果たして、エッジウェア卿の屋敷に現れたのは、誰だったのか?
『エッジウェア卿の死』の見どころ
『エッジウェア卿の死』の面白かった点をあげると、小道具の使い方の面白さですね。
- カーロッタのイニシャル入りの小箱
- 小箱に入っていたDのイニシャル
- 持ち主不明の鼻眼鏡
- カーロッタが妹に送った手紙
など、随所に出てくる小道具と、そのナゾが細やかに描かれていて、面白いのです。
『エッジウェア卿の死』をレビューしてみる!
本作は意外なトリックや展開が面白い作品です。有名人を模した演技で人気を得ているカーロッタは、本当にジェーンに変装して、エッジウェア卿の邸宅に行ったのか?
途中までは当然にあり得る話、として私も読んでいきました。
実際の犯人Fは、妻のジェーンなのですが、そのままだと面白くないですよね。
なりすましができる演技力を持つカーロッタに、どんな役割を与えたのか、ここがボイントです!
最初は「カーロッタ=実行犯」と思わせておきながら、実は…という展開はとても良い。
要するに
- 実行犯…ジェーン
- アリバイ作りのためのパーティー(替え玉)出席…カーロッタ
普通の予想とは逆の方向で展開させる。このあたりが本作の魅力。
見どころでも触れましたが、カーロッタが妹宛に送った手紙にまつわる謎がなかなか印象深いのです。
- 手紙の端が破られていたのはなぜ?
- 「he」と「she」の入れ替え!これだけで、卿の甥であるロナルド・マーシュに容疑を被せることができる!
ただ、全体の読後感がいまひとつ…と思うのは、結局のところジェーンという人物が、あまり魅力的ではなかったからかな。犯人が判明したときの「え?」っていう驚きやショックが少なかったからかな、と思っています。
そういえばポアロ、前作に続いて、犯人の計画に組み込まれかけている…。有名人だから、利用されがちなのかな。
まとめ:小道具のトリックを楽しみながら読んでみる!
カーロッタが妹に送った手紙を使った細工が細かい。ほんのちょっとした細工なのですが、手紙の内容がまるで代わってくるので、スリリング。
ポアロでもなかなか気づかなかった細工。こういう仕掛けで楽しみたい一作です★
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