しばらく前からハマっているのが、ジェイン・オースティンの小説です。『高慢と偏見』が非常に有名ですが、他にも5編の長編小説を残しています。
とりあえず作品の発表年順にレビューしていってみます。
『分別と多感』
『分別と多感』中野康司訳 ちくま文庫 2007年

理性的で分別がある姉エリナー。自らの喜怒哀楽に正直で感情的なマリアン。
姉妹でありながら、正反対の性格をしているふたりの恋愛に様々な困難が絡み、最終的にはそれぞれピッタリのパートナーを得る、というストーリー。
登場人物としては、どうしても妹マリアンのほうが魅力的に映ってしまいます。
理想の相手を一途に思うときも、失恋して落ち込むときも、周りが驚くほど真剣です。そのぶん傷つくことも多く、感情の浮き沈みが激しいのです。
一方、姉エリナーには少し気の毒になってしまいました。
エリナーだって恋に悩んだり傷ついたりしているのに、あまり感情を表に出さないために、エリナーは傷ついていないかのように周りから思われてしまう。ちょっと理性的に過ぎるのかな・・・。妹マリアンの失恋を慰める等、大事な役割を担ってはいるのですが。
男性で魅力的なのは、ブランドン大佐ですね。登場したときには年寄り呼ばわりされていますが、思慮深く親切なので、好感度高いです。(他が大したこと無いというのもあるが)
無口な大佐がエリナーに自らの過去を語るあたりは、非常に良いシーンです。中盤あたりまで面白かったのですが、終盤にかけてやや急にまとめに入りすぎたのかな・・・。
一応、話はまとまるのですが、終盤の盛り上がりに少し欠けていたように思います。
『高慢と偏見』
『高慢と偏見』 大島一彦訳 中公文庫 2017年

今のところ、私にとっての1位!(まだ2作品しか読んでません)
たびたび映像化されているので、知名度の高い作品です。翻訳も複数あります。
私が手にしたのは、中公文庫の大島一彦訳。この文庫本、挿絵が良いんです!19世紀の挿絵を50点ほど収録していて、そのテイストが好きですね。
主人公エリザベスは、ミスター・ダーシーを高慢ちきで鼻持ちならない人物と思い、ミスター・ダーシーはエリザベスに惹かれながらも彼女の家族の身分や振舞いからして自分の気持ちに素直になれない。
最初は反発しあい、なかなか話も噛み合わないふたり。最初は高慢ちきなミスター・ダーシーですが、次第に変わっていく様など、人間が変わっていくドラマとして、面白いのです。
ようやくエリザベスがミスター・ダーシーを理解できるようになった頃には、他の問題が持ち上がって、この恋は諦めなくてはならないのでは・・・と悩む。
主人公エリザベスとその相手ダーシーの話であるという本筋の見せ方がはっきりしていて、お互いに惹かれているのに、なかなかうまくいきそうにない展開にドキドキしながら読んでいました。
話の筋そのものは様々な恋愛ものがあふれている現代なら、どうということもないはずです。なぜ夢中になって読んでいったのか、自分でもよく分からないくらいハマって、しばらくの間、この世界に浸っていました。
細かい心理の描写に定評あるオースティンなので、自分の恋愛感情に気づいても、表に出していいのか、と悩む心理など、読んでいて何度も気持ちが揺さぶられる感覚がありました。そのあたりが夢中で読めた理由かもしれません。
またエリザベスの家族や親戚、友人など周囲の人物たちもなかなか個性的。
とりわけ印象深いのはミスター・コリンズ。エリザベスの親戚で牧師なのですが、会話が長いし思い込みが激しいし、鬱陶しいことこの上ない。
ミスター・コリンズは身分が上のひとに取り入るのに必死なんですが、あんまり相手にされていないとか、こういう俗物的人物のリアリティがとても良い。
主人公とサブの人物たちの描写のバランスが良いので、作品の世界に安心して浸って読むことが出来ました。
6作品を読みつつレビューする楽しみ
ジェイン・オースティンの長編小説は全部で6作品。多くはないのですが、それぞれに魅力的な人物が出てきて、恋愛小説として人気がある、とのこと。
ゆっくり読んでいって、ブログでのレビューを随時更新していこうと思います。
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