ナタリー・ポートマンといえば、「レオン」がものすごく印象的ですよね。当時、13歳だったそうですが、久しぶりに見返したら、とても大人っぽい表情だったんだな、と思いました。
ボリュームのあるボブカットもかわいいですね。無邪気なところと、大人っぽい面の相反する要素が混ざっている点が、当時人気を呼んだのでしょう。
当時ヒットしたし、今でもとても人気の高い作品ではありますが、今回は「レオン」の魅力を3つのアイテムをもとに見てみます。
(ネタバレ含みますので、ご注意ください)
「レオン」
監督:リュック・ベッソン
出演:ジャン・レノ/ナタリー・ポートマン/ゲイリー・オールドマン
公開年:1994年
製作国:アメリカ・フランス合作
ミルクを買いに行く、という行為が持つ意味
冒頭、マチルダはレオンのためにミルクを買いに行ったことで、結果として命拾いをしたことになります。
また最後にもやっぱりミルクを買いに行くシーンがあります。嬉しそうにミルクを買って、戻るマチルダ。この時点では、すっかりレオンのパートナーとして安心している感じになっています。
ミルクというアイテムはマチルダとレオンの2人の間をつなぐ飲み物として、画面中に何度も出てきます。いわば共同体、パートナーとしての関係を作っていった飲み物です。
2人の関係の始まりと終わりをイメージさせる飲み物として、ミルクは大きな役割を果たしています。
殺し屋であるレオンが毎日ミルクを飲んでいる理由には「健康や体力維持のため」「体臭を消すため」みたいな理由を見かけましたが・・。
だとしたら、映画内の理屈とキャラのイメージとが絡み合って魅力を高め合う、非常に大きな相乗効果が生まれていると思います。
殺し屋なんていう設定のキャラが、ミルクというある種の幼さを感じさせる飲み物を飲むことで、ちょっとしたイメージのギャップを生み出して、観客に親近感を抱かせる効果が出ていると思います。
観葉植物という分身
レオンが「友人」として大事にしていたのが観葉植物。「根が地面についてない」という点でシンパシーを感じて、友達として手入れしていました。
これ、調べてみたらアグラオネマという植物で、しかも希少種のカーティシーだそうですね。ファンの間では欲しい、という人も多かったとか。
大きな葉っぱが印象的な観葉植物ですが、最後までマチルダがこの植物を手ばなさなかったことで、レオンの分身であり、また2人の関係を象徴するアイテムとなっています。
ラストシーンで広い庭に植え替えることで、やっとレオンに安息の地が手に入ったような気持ちを観客が味わいます。とてもうまいエンディングの見せかたになっています。
ウサギのぬいぐるみが意味するもの
映画の中盤で、危険をおかして一度、自分の家に戻るマチルダ。もちろん、そこには惨劇の生々しい傷痕が残っているのですが・・。
そのときに持ちだすのが、大きな耳のウサギのぬいぐるみでした。不安なときにきゅっとぬいぐるみを抱きしめる姿が印象的でした。
最後に脱出するときにぬいぐるみも一緒にもって逃げています。ぬいぐるみはかつて家族と過ごした時間の思い出であり、少女時代の象徴なのでしょう。
ずっと一緒にはいられないバディムービー
改めて鑑賞すると、アクションシーンと、そうでないシーン(日常の生活など)のメリハリがすごく効いています。
ごっこ遊びのゲームをしているときのレオンのぽかんとした表情や、映画を見ているときの嬉しそうな表情など、普段の素顔はけっこう純朴そうな表情になっています。
登場人物はごく限られているんですが、ひとりひとりのキャラの完成度が高いので、インパクトが強く残ります。
今回の記事ではあんまり言及しないのですが、ゲイリー・オールドマンも「普通じゃない」感じがよく出ています。
ちなみに、「レオン」には110分の劇場版と133分の完全版があります。やっぱり完全版のほうがいいですね。私が今回、鑑賞したのも完全版。
レオンとマチルダの関係は、決して成就することのないカップル(というかコンビ?)のバディものの関係です。
思いが叶うことがありえないから、観ている側もより強烈な心情をかきたてられるのでしょう。
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