「シュガー・ラッシュ」ラルフがヒーローになる瞬間

ハート型チョコレートアニメーション
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はじめて取り上げる映画は、「シュガー・ラッシュ」です。すごくよくできた楽しい作品なので、子供だけでなく大人にもおすすめですよ。

ネタバレを含んでいるので、ご注意ください!!

「シュガー・ラッシュ」

監督:リッチ・ムーア

出演:ジョン・C・ライリー/サラ・シルバーマン

公開年:2012年

製作国:アメリカ

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ラルフの感じる疎外感とは?

主人公のラルフは見た目は大男、怪力、暴れん坊。ゲームのなかでは悪役として存在しています。およそヒーローにはなれないことが分かりきっているキャラです。

でも実際には「自分だってみんなから好かれたい!」という願望を持っています。これは自然ですよね。

チームやクラスのなかで、自分だけが貧乏くじを引いたような立ち位置にいると「なんで自分は報われないんだろう?」って思うことくらいありますよね。いつでも悪役で、そのイメージのまま嫌われているラルフ。

不器用で主人公らしくない外見ですが、どうにも憎めないキャラになっています。主人公らしくないキャラを主役にもってきて、悩みをかかえたキャラにしたことが、ひとつのポイントです。

ヴァネロペの疎外感とは?

アイボリー色のマカロン

一方、ヒロインであるヴァネロペは、シュガーラッシュというゲーム世界の「不具合」として忌み嫌われる存在として登場します。

レースゲームの世界なのに、自由にレースに出られないという矛盾した存在です。

さらには、いろいろなゲームを行き来できるはずの世界において、不具合があるがゆえに、ゲームの外に逃げ出すこともできない存在、として描かれています。

存在そのものが嫌われ、かといって逃げることもできない存在として登場するヴァネロペ。

ラルフが最初から嫌われ者であるのに対して、ヴァネロペの場合は、なぜ嫌われているのか、不明のままで話が進みます。

不遇な境遇のわりにはヴァネロペはけっこう生意気で、タフな女の子です。ちょっと生意気でラルフを小馬鹿にしてみたり、繊細な一面を見せてみたり・・・。デコボココンビですが、奇妙な連帯感が生まれます。

キャンディ大王という存在

シュガーラッシュの世界のトップにいるキャンディ大王。実は敵役であったわけですが「もしかしたらこうなっていたかもしれないラルフ」といった存在です。

敵という存在は、主人公のもう一つの姿。

認めて欲しい、人気者でいたい、という嫉妬はだれのなかにもあるものです。いまは人気のあるキャラでも、他のキャラにとってかわられることもよくあります。

キャンディ大王の正体は、周りからの人気を浴びていないと気が済まないという、ラルフも持っていた幼稚さそのものだったのでしょう。

ラルフが手に入れたメダル以上の価値

ハート型のキャンディ

ラルフはだれからも相手にされない苦しみを「ヒーローのメダルを手に入れる」ということで解決しようとしました。

でも、仮にメダルを手に入れても、やっぱりゲームのなかの役割分担は変わらない。

周りからちやほやされる、人気者になる、とは別の価値に気づくことで自身の価値がわかるようになる、ということもあります。

メダルのように目に見える物に頼るのではなくて、自分ならではの価値を見出せるようになった瞬間が、まさにヒーローになった瞬間なのですから。

ラルフの気持ちの変化を見ていくことで、自分自身の価値とはなんなのか、気持ちの深い部分を揺さぶられるように感じました。

まとめ:チョコレートを通しての変化にも注目

脚本がよく練ってあって、繰り返し出てくるモチーフで、キャラの変化がよくわかります。

最初は「チョコレートはあんまり好きじゃないんだ」と言っていたラルフ。

今までのラルフにとっては、チョコレートにまみれることは、いわば「ゲームで負けて、地面に落とされて土まみれになること」の象徴でした。

でも最後に助かったときには「チョコレート、大好き」というセリフを言っています。

自分自身を受け入れていく、という構図ちょっとしたモチーフの使い方で見て取ることができます。

コミカルで楽しく、キャラクターの成長ぶりも見ていて面白い作品です。異なるゲーム世界を描き分けている技術の高さに感心しつつ、ラストまで楽しくみることができますよ。

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