ドラマ版「ゴルフ場殺人事件」 原作との比較を見てみる

ゴルフ場サスペンス
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アガサ・クリスティーの小説である「ゴルフ場殺人事件」はイギリスで1996年にドラマ化されています。日本ではDVD完全版のvol.26に収録されていますね。

かつてドラマでポアロシリーズに親しんだ方も多いでしょう。私もそのひとりです。今回、小説を読んでからあらためてドラマを見てみて、上手なアレンジになっていると思いました。原作小説のレビューは以下になります。

小説「ゴルフ場殺人事件」は対立の軸が魅力になっている
アガサ・クリスティーの小説「ゴルフ場殺人事件」を読んでみた感想です。人物の配置が大きな魅力になっています。話がやや複雑になり過ぎている点はありますが、魅力を考えてみました。

今回は、原作との違いを主に取り上げて考えてみます。やや複雑だった原作を、もう少しシンプルにまとめた感があります。

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ジロー刑事の描き方はドラマのほうがいい

原作を読んだ限りでは、ジロー刑事には、若手のホープ・敏腕刑事といったイメージを持っていました。そのため、40代くらいのスマートな刑事さんを勝手に想像していました。

が、ドラマのジロー刑事は・・・・・・・貫禄のある中年男性になっていました。体型もあんまりポアロと変わらないような・・・。

捜査のしかたは、原作では現場から様々な証拠を発見していく手際の良さがありましたが、ドラマではけっこう横柄で独断的な態度をとっている印象があります。

ただ、ドラマのほうが優れている点もあります。

ジロー刑事とポアロはどちらが捜査で結果を出すのか、賭けをします。原作では500フランという現金を書けるのですが、ドラマではお互いのトレードマークを賭けます

つまり、ジロー刑事は愛用のパイプ、そしてポアロは自慢の口ひげを賭けることになります。どう考えても口ひげのほうがリスク高いと思うんですが。

ただ、現金を賭けるよりも、自分にとってのプライドの象徴ともいえるトレードマークを賭けるというアレンジはとてもいい。

そして、最後のシーンではこの賭けの決着の描きかたがとても洒落ています。

原作だと、「ジロー刑事は事件の結末に泡をくって逃げかえった」みたいな退場の仕方になっているので、その点が物足りなかったのです。ドラマのほうがジロー刑事という人物を最後まで上手にまとめたな、と思います。

ゴルフ場と自転車レースの使い方がいい

原作の残念な点として挙げたのが、ゴルフ場という場所をいまいち生かしきれていない点です。

ドラマでは一応、ヘイスティングズが(上手くはないが・・・)ゴルフをプレーしているし、ゴルフのプレイ中に、依頼人だったルノーの遺体を発見しています。

またジャック・ルノーが出場している自転車レースというのは、原作にはない設定です。

「ジャックがゴールすると同時に逮捕してやる」と勢い込むのがジロー刑事。限定された時間内で行われる自転車レースを使ったことで、うまく緊迫感を作ることができています。

シンデレラとベラが姉妹である設定がなくなったこと

原作と大きく違うのが、シンデレラとベラが姉妹であるという設定が無くなっていることです。一人の人物に統一されたことで、話が分かりやすくなっています。

ただ、この設定の変更を残念に思う人もいるでしょう。シンデレラという謎の多い人物が消えたことで、姉のために行動していた行為がすべて消えてしまうので、ナイフを持ち出すという行為に説得力がない、という意見などもあるでしょう。

また、ドラマのベラはどの男性を選ぶのか、という点も大きく変わっています。このあたりは評価の分かれるところでしょうね。

まとめ

全体として2時間のドラマにわりときれいに収めていますよ。原作でシンデレラの存在がよかった、という人にはちょっと不満があるかもしれないですが。

人物のメリハリのつけ方でうまくいっているアレンジだと思っています。2時間楽しく見られました。

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