当サイトはいちおう、英語のやり直しのためのサイトなのですが、わたしがレビューなどを書いている目的のひとつとして、日本語の文章力アップがあります。
文章の書き方はトレーニングを積んでいる人とそうでない人で、本当にはっきりと差がつきいますね。今回紹介するテキストは、「頭がいい人の文章の書き方」です。
「頭がいい人の文章の書き方」
著者:小泉十三と日本語倶楽部
河出書房新社/2008年
文章を上達させたいなら、コツを知っておくのが近道
絵でも文章でも、うまくなりたいなら、なんとなく続けるよりも、うまくなる方法やコツを意識して実践することが大切だと思っています。
「頭がいい人の文章の書き方」では、「頭がいい」と他人に思わせる文章を書くコツをたっぷりと紹介しています。
出版社で採用を担当していた著者が、採用試験で作文を重視していたのは、「作文のうまい学生は使える」(P5)から、というエピソードが紹介されています。
確かにある人物の能力を推し量るときに、その人が書いた文章を読めば、考える力や話を組み立てるちから、伝える力、などが分かりますもんね。
なんらかの文章を書く機会に備えて、実践的なコツを知っておくと心強いですよ。
「頭がいい人の文章の書き方」の構造
「頭がいい人の文章の書き方」は全部で6章からなっています。
そのうち、第1章では「文章を書く前の仕込みや準備」、第2章では「全体の構成のコツ」が紹介されています。
さて、文章を書くぞ、と思ってもアイデアやテーマが出ない人も多いでしょう。私もよく迷います。
どんなところから材料を仕入れたらいいのか、仕込みが意外と大事です。身近な新聞とか読んだ本などから、書いてみたいテーマを見つけると、けっこう書きやすいです。
支離滅裂な文章にならないためには、全体の構成ってすごく大切ですよね。私も長めの文章を作るときには、骨組みをまず作るようにしています。そのあとで肉付けをしていけば、極端に崩れた文章にならないです。
第3章、第4章といったパートでは、「読みやすい文章にするコツ」「文章の基本的なルール」が紹介されています。基本的なんだけど重要な、分かりやすい文章を作るためのコツやルールが満載です。
NG例と改善例を並べて提示してくれるので、どこがなぜだめなのか、はっきりと見ることができます。
- 主語と述語は遠ざけない(P50)
- 助詞の「が」と「は」は使い分ける(P57)
など、慣れていない人がやってしまいがちなミスを具体的に指摘してくれます。
第5章では「文章の磨き方」となっていて、推敲の大切さが紹介されています。書きたい内容をもともと長めに書いておいて、推敲段階でばさっと削る方法(P87)は私もやります。ムダがなくなって、引き締まった文章になるので、おすすめです。
第6章では「具体的なトレーニング方法」となっています。「上手い人の文章を抜き出して書いてみる」とか「本の内容をフローチャートにしてみる」などはすぐにできそうです。
本だけでなく、映画の内容を使ってフローチャートにしてもいいかもしれないですね。とくに難解だった作品を図式にすると、全体の構図がよく見えることにつながります。
「頭がいい人の文章の書き方」はきわめて具体的な内容が盛りだくさんになっているので、もっといい文章を書きたい、書く必要がある、といった人におすすめです。
私も、すぐに参照できるように手元に置いておいて、文章のトレーニングに使おうかな。
最もやってみたい実践方法
「文章を書く」ということは自分の頭の中に在る漠然としたアイデアや、もやもやした感情を、見える状態(文章)にして整理していくプロセスです。
また、自分の考えや感情を客観的にとらえ直すことにもなります。自分を客観視することは、かなり難しいことですよね。
見える状態にする、ということで自分でもはっきり分かっていなかったことが明確になってくる。文章を書いていて面白いのは、内面を取りだして形にできるからだ、と思っています。
私がもっともいいな、やってみよう、と思ったのは、第1章の「抽象的なテーマは具体的に「語る」べし」(P14)という項目です。
夢とか愛情とか、読書について、とか抽象的なテーマを前にすると、何を書いたらいいのやら・・・となったことってありませんか?私も空回りした文章を書いたことがあります。
テーマが読書だったら、一般的な読書のイメージではなくて、「お気に入りの本屋の特徴や共通点」「図書館があって良かったと思ったエピソード」など、自分にとって身近な話題に落とし込んで語ったら、面白く分かりやすい文章になりそうです。
私自身は文章を書くことは好きですが、まだまだ未熟な文章だと思っています。映画や本のレビューを通じて、私が感じたことや考えたことを形にすることは、難しいときもあるけど、面白いプロセスです。
文章力アップにつながるトレーニングも地道に楽しく、続けていきたいです。
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