映画「レ・ミゼラブル」対極にいるヒロイン・コゼットとエポニーヌ

手紙と小瓶ドラマ
この記事は約6分で読めます。

こんにちは。rindouです。映画「レ・ミゼラブル」のレビュー3回目。これでラストです。

ちなみにこの記事、自分で書くのも悪いのですが、めちゃくちゃ人気です!!ありがとうございます

*いままでに何度か映像化されているので念のために書いておくと、今回のレビューは2012年のトム・フーパー監督作品です。

前々回、前回のレビューは以下になります。こちらもぜひ、お読みください。

 

「レ・ミゼラブル」    

監督:トム・フーパー

出演:ヒュー・ジャックマン/ラッセル・クロウ/アン・ハサウェイ/アマンダ・サイフリッド/エディ・レッドメイン

製作国:イギリス

公開年:2012年

 

スポンサーリンク

対極にいる2人のヒロイン・コゼットとエポニーヌ

キャンドルと本


映画「レ・ミゼラブル」のなかでのヒロインはコゼットと、エポニーヌ

子ども時代には、宿屋で召使みたいに使われているコゼットと、あまやかされているエポニーヌという立場でした。

しかし、成長するとエポニーヌは貧しさのなかにいて、コゼットは大事に育てられている、といった立場になっています。

まさに陰と陽みたいな対極に位置しています。

2人は全く違うタイプでありながら、同じ男性・マリウスを好きになります。

コゼットの少女時代って、みすぼらしいかっこうなのに、すごくかわいい・・・。ぼろ布でつくった人形(とすらいえないくらいの代物・・・)を抱えて歌うあたりとか、健気でかわいそう。

ジャン・バルジャンだけでなく、観客にも「この子を助けなければ!」という気分を強く感じさせる描写です。ベタと言えばベタですが、それだけに、効果的に観客の心を揺さぶります。

その分、後のコゼットが強い意思や主体性を感じられない造形になっていくのは、仕方ないことかもしれませんが・・・。

コゼットはジャン・バルジャンにとって娘同然であり、不幸だったファンティーヌのことを考えると、幸せであってほしい、とは思います。

印象に残るのはエポニーヌ

タイプライターのミニチュア


でも本作でむしろ印象深いのは、宿屋の娘だったエポニーヌのほう。前からマリウスのことが好きだったのに、マリウスが本気で愛しているのは、コゼットであることがハッキリ分かってしまう。

エポニーヌは(親は悪質だけど・・・)べつに悪い子ではなく、マリウスへの気持ちはとても真剣でした。

コゼットとマリウスが夜にふたりで出会うシーンでは、その片隅に立っているしかないエポニーヌがいます。2人が真剣に惹かれていることを知り、現実を受け入れるしかないとわかっているエポニーヌ。

コゼットとマリウスにとってはとても幸せなシーンであると同時に、エポニーヌにとっては、胸が張り裂けそうなくらいつらいシーンです。

「心は愛に溢れて」では恋人2人だけではなくて、エポニーヌという失恋する側の存在も一緒に歌っている点が大きな特徴であり、その複雑な心境に観客は戸惑い、エポニーヌという存在が大きく印象に残るのです。

急いで身を隠し、転居しないといけないコゼットが門のところに残した小さな手紙。手にしたのはマリウスではなくて、エポニーヌ。

簡単にはマリウスに手紙を渡せなかったけど、死ぬ間際にちゃんと手渡すあたりにエポニーヌという女性の健気さが出ています。

小さな走り書きのような手紙ですが、エポニーヌという報われない側にいる人の手を介してマリウスに届いた点に、とても意味があるんじゃないかな、と思います。

ジャベール警部も、信念と現実との間で引き裂かれた人物ですが、価値観が崩れ、やるべきことに見失った末に死を選んだジャベール警部に対して、エポニーヌは死の運命を受け入れた瞬間に、自身のやるべきこと、マリウスに伝えるべきことをはっきりと悟ったのでしょう。

信念と運命の織りなすドラマ「レ・ミゼラブル」の名わき役です。

スポンサーリンク

「レ・ミゼラブル」の楽曲の使い方

映画「レ・ミゼラブル」のなかでは、ひとつの楽曲を、複数の人物の心情から歌っていくという演出が、重厚な世界を作り上げることに役立っています。

たとえば「囚人の歌」という歌があります。冒頭では、囚人たちが歌っている「下を向け自分たちは高貴なものに目を向けてはいけない」という絶望の歌です。

もっと後のシーンでは、民衆から貴族に向けて「下を向いて、俺たちを見ろ」と歌われています。

同じ歌でも、貧しい市民から貴族に向けて言うことで、意味が大きく変わります。

1曲1曲にそれぞれの複雑な心理が絡むことで、見ごたえのある世界を作ってくれています。


まとめ:原作をコンパクトにまとめて重厚なドラマになっている

青い花

「レ・ミゼラブル」はとても長い作品なので、映画ではかなりコンパクトにまとめている感じはあります。本当は、原作を読んでから見るほうがおすすめです。

複雑に絡まる関係や感情を楽曲を通して描き、見ごたえのあるミュージカルになっていて、原作ファンとしては嬉しい作品です。

「レ・ミゼラブル」は長い映画なので、3回に分割してレビューをアップしてみました。長いのに、読んでくれたかた、ありがとうございました!

コメント

タイトルとURLをコピーしました