「THE CAPRICIOUS ROBOT」は以前、取り上げた「きまぐれロボット」の英語版です。
日本語版の感想は以下になります。
で、まずは言いたい。今感じているのは「ついに、英語で書かれた小説を読んだ!!」っていう達成感です!!
これは単純にうれしいです。思えば絵本からはじめて、だんだんと分厚い本にしていったのですが、やっと100頁を超える書籍を読んだ、という充実感があります。
初心者レベルの話ではありますが、でも最初になにかを行ったときの充実感というのはしっかり味わっておきたいと思います。
星新一のシンプルな文体から英語へ
「THE CAPRICIOUS ROBOT」は星新一さんの「きまぐれロボット」を分かりやすい英語で翻訳しています。
もともと、星新一さんの文章は短く、装飾が少ないシンプルな文体なので、英訳しやすかったのかもしれません。1話あたりが3~5ページと短いので、挫折しにくいと思います。
今回は、読んでいて面白い表現だな、と思った箇所をいくつか引用しつつ、鑑賞してみたいと思います。
「THE CAPRICIOUS ROBOT」
著者:星新一
翻訳:ロバート・マシュー
出版社:講談社英語文庫
出版年:1997年
英語の感覚を知るのに役立つ翻訳
“Many people are becoming more and more unwilling to exert themselves.”
「THE CAPRICIOUS ROBOT」
著者:星新一/翻訳:ロバート・マシュー/出版社:講談社英語文庫/1997年
『The Pillow』 P8
* be unwilling to 「~することを嫌がる、~することに気が進まない」
「努力をしたがらない人が多い」という意味で使われています。
勉強しなくても英語を習得できるという便利な枕を開発した、というお話のなかに出てきます。あんまり手をかけずに楽したい、という人をちょっと皮肉っているような結末になっています。
倒置による強調
Finally came the day when the egg was broken.
「THE CAPRICIOUS ROBOT」
著者:星新一/翻訳:ロバート・マシュー/出版社:講談社英語文庫/1997年
『The Memento』 P46
宇宙人が置いていった卵型の容器には、人類にとって貴重なものが一杯入っていたのに、人類はそれと知らずに破壊してしまった、という皮肉なお話し。
倒置にしないときは以下のようになります。
The day when the egg was broken finally came.
倒置は技術としては知っていますが、やはり小説などの中で読むと、臨場感があっていいな、と思います。生き生きとした描写を味わえるのも、英語で本を読む楽しみだと思います。
会話のなかの面白い表現
会話のなかの表現にも、面白いものが多いです。
* a bit of a nuisance as it is
「これじゃ困るよ」という意味ですが、面白い言い回しです。
ちなみに、この表現が出てくるのは、火災の発生を知らせてくれる便利な鳥型ロボットを開発するお話です。最初はちょっとしたストーブの火にも反応してしまって、精度がいまいちなのです。
“work”の訳にも気をつけて訳したい一文。
“It certainly works.But it’s a bit of a nuisance as it is. You need to make some improvements.”
「THE CAPRICIOUS ROBOT」
著者:星新一/翻訳:ロバート・マシュー/出版社:講談社英語文庫/1997年
『Fire Precautions』 P84
まとめ:英語で読む楽しさ
今までに慣れ親しんだ日本語の作品を、改めて英語で読むと、新鮮な楽しさがありますね。
あと、語彙を増やすのに本当にいいんじゃないかと思います。好きな小説のなかで使われている単語や表現って、記憶に残りやすそうです。
分かりにくい単語やイディオムをどんどん、自分の単語ノートなどに記して覚えるようにしています。
英語での読書もちょっとずつ続けていきたいです。初心者向けの本があれば、またご紹介します。
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