「オリエント急行殺人事件」アルバート・フィニーの凝ったポワロ

雪景色サスペンス
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たびたび映像化されていますが、今回のレビューは1974年のシドニー・ルメット監督作品のレビューです。原作はアガサ・クリスティーのポアロシリーズ8作目「オリエント急行殺人事件」です。

結末が有名すぎるらしく、「原作は読んでないけど、犯人がだれかは知っている」といった人が私の周りにもいます・・・。衝撃的な結末ゆえに、結論だけやたら有名になったパターンですね。

作品の内容に触れているので、まだ見ていない方はご注意ください。

「オリエント急行殺人事件」

監督:シドニー・ルメット

出演:アルバート・フィニー/リチャード・ウィドマーク/ジャン=ピエール・カッセル

製作国:イギリス

公開年:1974年

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舞台としてのオリエント急行の面白さ

オリエント急行は、ヨーロッパの長距離夜行列車。豪華なつくりの列車で、オリエンタリズムをかきたてるのか、しばしば、文学作品の舞台となっています。

「オリエント急行殺人事件」も、豪華寝台列車という密閉された空間のなかでの物語です。おりしも雪のせいで動きが取れなくなっている列車のなかで、事件が起こり、ポワロが真相を明らかにしていきます。

次の駅に着くまでに、地元の警察に説明するまでに、真相を解きたいというタイムリミットが決まっているため緊迫感がでて、コンパクトな展開となっています。

列車という、ごく幅の狭い、閉ざされた空間のなかってあんまり自由に身動きできないし、非日常的感覚もあって、舞台としてとても面白い設定になっています。

映画のなかでは、つもった雪を除雪車でどけながら、なんとか先に進もうとするシーンがたびたび、でてきます。

単なる情景の描写にとどまらず、事件の真相に迫り、難題にぶつかりながらも解決に突き進むストーリーや、結果として導かれた事実をどう受け止めるのか、暗示しているようでした。

一度きりのポワロを演じたアルバート・フィニー

アルバート・フィニー演じるポワロは黒髪に黒いヒゲ、原作のポワロのイメージにけっこう近い役作りです。アルバート・フィニーは当時、30代だったそうで、60歳くらい(?)のポワロを演じるのはけっこう大変だったようですね。

ポワロは自信家で潔癖、けっこう高飛車で鼻持ちならない人物となっています。

冒頭、レストランでは「料理がまずい」「コーヒーがひどい」と大声でいい、メニューを破り捨てていました・・・・。

そして会話による事件の解明がメインになるので、観ている側を飽きさせない工夫なのでしょう、身振りが大げさで話し方もとても気取った感じでした。すこし猫背気味、足はやや引きずって歩く感じなど・・・。

アルバート・フィニーはこの一作しかポワロを演じていないです。でも相当に凝った役作りをやっており、印象深いポワロとなっています。

たとえば深夜、狭い室内で丁寧にヒゲの手入れを行っているポワロ。身だしなみにうるさく、こだわりがあり、癖の強いポワロという人物をちょっとした行動で立ち上げています。

豪華すぎるキャストのなかで車掌に注目してみた

出演している俳優陣がものすごく豪華で、オールスター映画といわれた作品らしく、大スターが勢ぞろいしています。

一見、特に関係のなさそうな乗客たちが実は、ある一つの事件を点として結ばれていた、と分かってくるラストはやはり意外性があって、面白い展開です。

私が気に入っているのは、品のいい車掌ですね。とても丁寧な対応をしていたけど、車掌まで事件に関わっていた、という形での驚き。

最初にポワロが列車に乗るときに驚いていた表情は、有名な探偵が来たからではなくて、大事な計画が失敗するのでは・・・・?という怯えを含んでいたんですね。2回くらい見ていると、俳優の細かい表情に注目してしまいます。

事件解決後に、登場人物たちがシャンパンで乾杯するシーンがあり、とても洒落ています。監督による「カーテンコールの意味あいがある」として知られるシーンです。

緊迫感のあるシーンから、解放感のあるシーンへ、最後の締めくくりとして見ていて嬉しくなるシーンでした。

まとめ:事件のなぞ解きを楽しめる映画になっている

最後にポワロの独壇場で事件のなぞ解きをするシーンが、この映画の見せ場です。アルバート・フィニーによるポワロの追求ぶりを堪能できる作品が、1974年の「オリエント急行殺人事件」です。

そして全体としては、割と明るい雰囲気を持っている映画になっています。オリエント急行の車内の描写なども楽しい一作です。

「オリエント急行殺人事件」はたびたび映像化されているので、これから見比べてみます。

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