「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」は2005年公開の長編映画です。85分とクレイアニメとしては結構長めの作品です。
クレイアニメで人形を動かして撮影するには気の遠くなるほどの時間がかかるのに、群衆シーンも含めて、素晴らしい仕上がりです。
・犬が好き!
・質の高いクレイアニメを見たい
・アクションシーンが面白い作品が見たい
という方におすすめの作品です。
「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」
演出:ニック・パーク/スティーヴ・ボックス
出演: ピーター・サリス/ヘレナ・ボナム=カーター/ レイフ・ファインズ
製作国:イギリス
公開年:2005年
「ウォレスとグルミット 野菜畑で大ピンチ!」あらすじ
冒頭では警報によって起こされて、明け方から出勤するウォレスとグルミット。
今回は野菜を荒らす害獣対策チームとして、町の人たちの野菜畑を守っている。セキュリティサービスみたいなものですかね。
巨大野菜コンテストに向けて、町のみんなは丹精込めて、大きな野菜を育てている真っ最中。実はグルミットも大きな瓜を大事に育てている。
仕事でウサギたちを捕まえ続けた結果、ウォレス宅の地下室にはウサギたちがあふれている。ウォレスはマシンでウサギたちの味覚の好みを変えることで、野菜への害を抑えようとする。
ところが、ウォレスの頭とウサギの頭がぶつかって、なんと味の好みが入れ替わることに・・・。ウォレスは気づいていないけど、じつは夜になると、ウォレスは大きなウサギ男に変身してしまう・・・。
ウサギ男を倒そうとする恋敵・ヴィクターからウォレスを守るべくグルミットは奮闘する。
オープニングの写真に注目!ウォレスとグルミットは家族!
冒頭では、室内に飾られた写真をひとつひとつ見せるシーンがあって、キャラの紹介となっています。
グルミットが子犬のときの写真にはじまって、だんだんと時間が流れ、いつでもいっしょのウォレスとグルミット。グルミットの大学卒業時の写真も飾ってあります。(ドッグワーツ大学卒らしい・・・)グルミットが機械工学に詳しいのは、発明家ウォレスのもとで育ったためですね。
飼い主とペットとかいう関係ではなくて、親子というか、家族なんだな、ということがわかるオープニングです。
冒頭で写真によるキャラの関係を明示しておくから、後々のアクションシーンでグルミットが捨て身でウォレスを助けに行くシーンはより感動的になります。
いつもいつもウォレスのピンチを救っているグルミットですが、本作では非常に感動的です。
野菜コンテストに向けて大事に育てていた巨大ウリを、ウォレス救出のために使うことを決心して、犠牲にします。
ウサギ男になったウォレスをおびき寄せるために巨大ウリに乗って疾走するグルミット。スピード感もあって、痛快なシーンになっています。
映画のパロディやギャグが満載!
アードマンの作品では、古い映画のパロディがよく入っていて、実に工夫があります。
いつも惚れっぽいウォレスですが、今回の相手は、心優しい女性・トッティ。上流階級の女性で、野菜コンテストの主催者でもある。
野菜を荒らすウサギたちを捕まえてほしいけど、殺さないでほしいと気遣う優しい人。・・・今回はまともな人に惚れているじゃないか、ウォレス。
ウォレスのライバルとなるのが、トッティとの財産目当ての結婚をたくらむ男・ヴィクター。その飼い犬フィリップはグルミットのライバルになる。
トッティというひとりの女性をめぐって、ヴィクターとウォレスが対立するキャラの設定。ラストで高所でウォレスに銃を向けるヴィクターという構図。このあたりは、まるでディズニーアニメの「美女と野獣」・・・。
ほかにもトッティをさらって高所に上っていくウォレスは、まさに「キングコング」・・・。いろんな映画のパロディ要素が入っていて、見ていて楽しいです!
アクションシーンのテンポの良さがすごい!
犬同士の対決も面白く、グルミットとライバル・フィリップスの対立は実にコミカル!
空中での飛行機(?)に乗りながらのバトルの最中に、コインが切れて動きが止まるなど、シリアスなシーンのなかにギャグが急に入ってくるあたり、さじ加減が実にうまいのです。
高所という場所を使ってのアクションで、バラエティに富んだ動きを見せていて、アイデアの豊富さにうなります。
まとめ:人間と犬の友情にじーんとくる!
「ウォレスとグルミット」シリーズはすべて見てきて、本作が一番、家族愛を感じる内容だったな、と思います。
人間と犬ですが、バディものの映画として、アクションも含めて楽しく見られます。
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