「ひつじのショーン」はイギリスのアードマン・アニメーションズによるクレイアニメーションです。今回は長編映画としては2作目になります。
前作「ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」もすごかったのですが、本作は動きが本当になめらかで、人形を動かしているとは思えんくらいナチュラル!
毎回、進歩しているキャラの動きや画面作りにびっくりします。
「ひつじのショーン」シリーズはセリフはあるけど、何を言っているのかよくわからない言葉なので、会話で細かいことを説明することを最初から排しています。
その分、シンプルでわかりやすいストーリーとなっていて、人形たちの造形の魅力もあって、展開や表情を楽しむことができます。
「ひつじのショーン UFOフィーバー!」
原案:ニック・パーク
監督:リチャード・フェラン/ウィル・ベチャー
制作国:イギリス
公開年:2019年
エイリアン・ルーラ登場によるショーンとビッツァーの違いに注目
前作は思いがけないハプニングで牧場の外へ行ってしまった牧場主を追って、ショーンたちが町へ向かう話でした。今回は、異星からやってきたエイリアンが牧場に迷い込んでくる話。
エイリアンといっても、好奇心旺盛な女の子・ルーラ。
ショーンはルーラとはいっしょに遊びまわるなど、友達的な立ち位置。一方で、ビッツァーは落ち込んでいるルーラを慰めているシーンがあるし、なんかちょっとお兄さんっぽい?
ルーラを挟んで、ちょっと態度が違うんですよね。
ルーラというひとりの女の子がやってきたことで、前回とはまた違ったキャラの一面が見えるようになっています。
最終的には、やってきたルーラはまた元の星に帰っていきます。異質な場所にやってきた人が、故郷に向かって帰っていく。
前作とはまた違う形で、同じ展開を作り出しています。
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\#映画ひつじのショーン #UFOフィーバー! pic.twitter.com/ylIVz9qHuZ— 全国公開中!「映画 ひつじのショーン UFOフィーバー!」公式 (@shaun_movie) December 13, 2019
SF名作のパロディが満載!みんなで見つけよう!
全体にSF作品のパロディが満載です!あちこちにパロディやオマージュがあり、探すのも楽しいですよ。私が気付いただけでも、以下くらいあります。
- ジョーズ⇒スーパーでルーラが食品の中から登場するシーン。音楽もジョーズっぽい。
- ET⇒自転車ではなくゴミ箱に乗って月の前を飛ぶシーン
- アルマゲドン⇒ファーマゲドン
- 2001年宇宙の旅⇒クラシック音楽の使い方や、モノリスをトーストに見立てた演出
- メンインブラック⇒エージェント・レッドのビジュアル。ただし、性別が man ではなく woman というところに、こまやかな配慮が感じられます。
- スターウォーズ⇒ストームトルーパーっぽい職員たち
- 未知との遭遇⇒UFOの登場シーンとエンディングと言えばこれですよね。
- 天空の城ラピュタ⇒ルーラの宇宙船のリモコンが飛行石っぽいけど・・・。
特にいいな、と思ったのは「ジョーズ」のパロディ部分ですね。ドリー・ズームといって、背景を引いていく演出まで入っていて、なかなか楽しい!
「ファーマゲドン」なる遊園地造りでは、ファーマーのがめつさが浮き彫りになっており、今回はお金儲けに必死になるファーマーを見られます(笑)
手ごわい敵が魅力的!エージェント・レッド
「ひつじのショーン」シリーズは敵役のキャラがとても魅力的で、前作「 バック・トゥ・ザ・ホーム」ではトランパーという、動物を捕獲する役目のキャラが出ていました。
トランパーはどちらかというと、ヒーロー願望が昂じて極端な行動を連発するエキセントリックな人物でしたが、過去の掘り下げはありませんでした。
今回はエージェント・レッドというエイリアンを捕まえる捜査官が出てきます。見た目はきつそうな女性キャラですが、意外に繊細で脆い一面があるので、とても魅力的なキャラになっています。
エイリアン捕獲に執念を燃やす一方で、じつはエイリアンには並々ならぬ思い入れがあるのです。
キャラの意外な一面を描いていて、単なる怖いキャラで終わらないあたりが魅力なのです。
まとめ:劇場で見よう!
「ひつじのショーン」はストーリーは極めてシンプルです。そのぶん、キャラの表情や動きを純粋に楽しみつつ、クレイアニメーションを堪能できます。
キャラが動くことの楽しさや、微妙な表情が生み出す気持ちの変化など、見ていてほんとに感心します。
今月、劇場公開されたばかりなので、まだ観ていないかたにはぜひ、行ってほしいです★
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