「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」恋するグルミットに注目の短編アニメ!

カッティングボード アニメーション
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今回レビューする「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」は30分程度の短編アニメ。「ウォレスとグルミット」シリーズの2008年の作品です。

タイトルは「ベーカー街」とかけてあるのでしょう。あちこちにパロディセンスがひかる一作です。

・動物が出てくる映画が好き
・かわいいクレイアニメが好き
・親子で楽しい作品を見たい
っていう方におすすめです。

見終わったあとには、楽しかった!と思える作品を探している人にはぴったりのシリーズですよ。はじめにあらすじ、後半はレビューを書いています。

 

「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」

監督:ニック・パーク

出演:ピーター・サリス/サリー・リンゼイ/メリッサ・コーリアー

製作国:イギリス

公開年:2008年

「ウォレスとグルミット ベーカリー街の悪夢」あらすじ

パンのミニチュア

今回はパン屋を営んでいるウォレスとグルミット。相変わらずグルミットはよく働き、ウォレスを毎朝起こす日々。

おりしも新聞紙上ではパン屋ばかり狙った殺人事件の報道が相次いでいます。冒頭も古典的なサスペンス映画を模していて、ちょっとニヤッとしてしまいます。

今回もウォレスは美しい女性に出会って一目ぼれ。相手はかつてパンのCMに出ていた憧れの女性・パイエラ。

あっという間にウォレスとパイエラの関係は親密になるが、グルミットは面白くない。パイエラは華やかだが、なんだか不穏なオーラの持ち主。

パイエラの館で、ついに恐るべき秘密を知ってしまったグルミット!ウォレスを助けようと必死になるが・・・。

ネタバレ有りなので、まだ見ていない人はご注意ください。

ウォレス宅の細かい造形にも注目!

コーヒーブレイク

毎回、細かい作りの家や乗り物、背景のセットに舌を巻きます。機械仕掛けの家のなかは、シリーズが進むごとに派手なつくりになっていますね。見ていて楽しい。

今回のウォレス宅はパン屋。風車までついていて、個人で営むパン屋にここまで必要なのか、と思いうほどの凝った作りになっています。

なんとなく宮崎駿監督の「カリオストロの城」に出てきた、時計塔内部っぽい作りの家のなか。

そしてウォレスの惚れやすい性格は、まるで「名探偵ポワロ」に出ていたヘイスティングズ大尉のよう・・・。その性格が災いしてしまう点もなんか、似ている・・・。

ウォレスの恋模様のシーンは「ゴースト」で2人で陶芸をしているシーンのパロディなどを入れつつ、笑える要素を盛り込んで描かれています。

ウォレスはパイエラには本当に憧れていたんだろうという点は、実は室内のポスターや家具からもわかります。

室内の時計が、パイエラが出ていたCMの気球を模した振り子時計になっているなど、かなり細かいインテリアにも注目!よく見ると、いろんな仕掛けがあって、画面を見るのが楽しい。

手作りのキャラの魅力も健在です。ちょっと首をかしげたり、不思議そうな顔をしたり、生き生きとした表情によるリアリティに毎回、驚きます。

人形を少しずつ動かす手間暇を考えると演技や撮影は大変だろうけど、ちょっとしたまばたきや眉の傾きなど、驚くほどこまやかな表情を作り出しています。

グルミットにも恋の相手ができる!

マシュマロ
実はパイエラは、連続パン屋殺害事件の犯人!かつては美しかったのに、パンを食べすぎて太ってしまったことでパン屋を恨み、何人ものパン屋を手にかけてきた。

グルミットがパイエラの館に行って、その秘密に気づくときのシーンが怖い!

まるで「青ひげ」・・・・・。

番号をふられたマネキンと、パン屋のエプロンや帽子が展示された部屋。しかもそこが寝室って怖すぎるでしょ。

そしてパイエラの最期は、かなりブラックです・・・。なかなかのインパクトですよ。

パイエラが逆恨みのせいで悪のヒロインになっているのに対して、好対照のキャラが、飼い犬のフラフルスです。

フラフルスはだんだんグルミットと気持ちが通うようになります。グルミットがフラフルスの手に触れて、ちょっと顔が赤くなるシーンなど、なんかかわいい。

パイエラがウォレス宅に出入りするようになって、部屋の雰囲気がすっかり変わっていましたよね。

フラフルスがグルミットの部屋まで荷物を運んでくれていましたが、あのシーンではパイエラが掃除の際に勝手に捨てたグルミットの私物を、わざわざ持ってきてたんですね。パイエラに見つかったら叱られるから、ふるえながら持ってきていた姿がいじらしくて、かわいいワンちゃんです。

いつもはウォレスがすぐ恋に落ちるのですが、今回はグルミットにもかわいい恋の相手がいて、ほほえましい。やたらと気苦労の多いグルミットなので、たまには恋の相手くらいいてもいいと思う。

ウォレスがパイエラの正体に気づいていないので、2匹がパイエラの悪だくみを阻もうとしていいパートナーになっていきます。

最初はビクビクしていた飼い犬のフラフルスですが、最後にはパイエラと対決するくらい強いヒロイン犬だったことがわかり、勇姿が素敵。戦うヒロインだったんだな、という感じです。

まとめ:2つの恋にハラハラする短編アニメ!

並んだマカロン
ウォレスの恋は報われないけど、グルミットの恋は報われて終わります。2つの恋愛模様を短い時間のなかで描いていて、その描き分けも楽しい。

毎回苦労の多いグルミットなので、最後のほんわかした雰囲気に、見ている側も幸せな気分になります。クレイなのに、ふっくら焼き立てのパンもおいしそうで、見ていて楽しい作品です。

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