「夢のチョコレート工場」ちょっと怖くて不思議!工場での冒険

チョコレートバー ドラマ
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今回、ご紹介するのは「夢のチョコレート工場」。1971年の映画です。

原作はイギリスの作家ロアルド・ダールの「チョコレート工場の秘密」。長いあいだ愛されてきた作品であり、たびたび映像化もされています。

ティム・バートン監督、ジョニー・デップ主演の映画は、ご存じの方が多いかもしれませんね。

「夢のチョコレート工場」

監督:メル・スチュアート

出演:ジーン・ワイルダー/ピーター・オストラム /ジャック・アルバートソン

公開年:1971年

製作国:アメリカ合衆国

「夢のチョコレート工場」のあらすじ

貧しい家庭の少年チャーリーはチョコレートが好きだけど、お金がなくてなかなか食べられない。
クラスメイトはお菓子をたくさん買っているのに、チャーリーは家計を助けるために、新聞配達などをしている。

ある日、ウォンカのチョコレートの中に、工場を見学できる金色のチケットが入っているというニュースが流れて世界中が騒ぎになる。

チケットの4枚は、金持ちの家の子供たちが見つけてしまう。チャーリーはついに最後の1枚をゲットして、憧れのウォンカのチョコレート工場へ入ることができる日がやってきた。

印象に残ったポイントなどを書いてみます。

ネタバレ有りなので、まだ見ていない人はご注意ください。

チャーリーと4人の子供たちの違い

並べられたマカロン

5枚の金のチケットのうち、4枚はお金持ちの家の子が手に入れて、最後のラッキーを主人公のチャーリーがつかみます。

4人の子供たちがけっこう傲慢でわがままであるのにたいして、チャーリーは健気で素直な子。

チャーリーという主人公の描写で大切なのは、おじいちゃんの存在の大きさだと思います。

稼いだお金をおじいちゃんのタバコ代として渡すチャーリーと、そのお金でチョコレートをかってくれるおじいちゃん。

チャーリーの優しい性格は、おじいちゃんをはじめ、家族とのやり取りのなかで育まれたものだということがよくわかる描写になっています。

おじいちゃんは工場への見学も、保護者として一緒に来てくれます。

チャーリーにとって大きな試練(冒険)になる、ウォンカのチョコレート工場に一緒に来てくれることで、少年の成長を見守る役を果たしてくれるのです。

ウォンカの不思議さ

ウォンカは手品師みたいな恰好で出てくるので、作品世界のなかでは魔術師的存在になっている感じです。

実際、チョコレート工場のなかは夢の世界として描かれていて、植物や川、あらゆるものがお菓子でできています。

子供が夢中になる世界を統治するものとしてのウォンカのビジュアル。チョコレートを意のままに使って、人を夢中にさせる不思議な力の持ち主として出てきます。

・・・ただ、言いつけを聞かないものには容赦がないあたり、けっこうブラックな雰囲気が漂っています。ブラックジョークっぽい雰囲気もまた、この映画の魅力なのでしょう。

「夢のチョコレート工場」のちょっと不気味な楽しさ

「夢のチョコレート工場」の楽しさは、工場内のちょっと不思議な世界の描写にあります。

ちょっと奇妙で、好奇心をかきたてられる空間は、子供時代なら「ちょっと行ってみたい」と思わせるような空間になっています。

レトロな色使いや、手作り感のあるメカや空間も、かえっていい雰囲気を作っています。

工場内にいるキャラで、強烈な印象を残すのが、ウンパルンパ。ウンパルンパの歌う曲のメロディーが印象に残ってしまって、他のミュージカル部分の印象が弱く思えるほどです・・・。

大変にシュールなウンパルンパたちの歌とダンス・・・・。存在感がすごいです。

チャーリーが主人公である資格とは?

カフェラテとクローバー

チョコレート工場のなかで、わがままな4人の子供は言いつけを聞かずに、途中で脱落していく。

対して、チャーリーは最後に「とけないキャンディ」をウォンカに返す。

ライバル社のワルタが「とけないキャンディを取ってきてほしい」とそそのかしていた例のキャンディです。

この瞬間こそ、チャーリーが主人公としての心意気を見せるシーンです。

目先のお金にひっかからずに、自分のなかの良心に忠実であること。お菓子とかお金とか、見返りを期待せずに行う行動。

「主人公たる資格」というものがあるなら、こういう行動にあるのでしょう。ここから一気に、ウォンカが5枚のチケットを用意したわけを語ります。

「夢のチョコレート工場」は、工場見学の形を取りつつ、少年が大きな試練をくぐるストーリーです。

ひとが成長していくうえでのたくさんの試練を、チョコレート工場という舞台で見せているのです。

まとめ:人気の小説をコンパクトに映像化

「夢のチョコレート工場」は公開からすでに40年以上の歳月が流れているので、やや古く見える部分はあります。

でも手作り感のある美術のおかげもあって、不思議な世界に足を踏み入れるときのワクワク感を追体験させてくれる作品です。

全体が100分とコンパクトな仕上がりで、テンポのいい展開になっています。

原作や「チャーリーとチョコレート工場」(2005年)との比較レビューも書いています。

よかったら、あわせてご覧ください。

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